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  ○月×日 忍者の準備にはぬかりはないだろうけど…。
   先週、伊賀上野に出かけた。さすが忍者の里として知られる土地だけに、町行く人はみな地下足袋を履いて音も無くすり足で歩いていた、というのはまったくのウソで、普通の田舎町だった。4泊5日の滞在中、夜には呑みにも行ったが、「上野のタクシーは1時までやから」と運転手さんが注意してくれたので、日にちが変わる頃にはホテルに戻り、歯を磨いて眠るという生活だった。とは言っても、もちろん用件は仕事で、阪神タイガースの赤星さんに長いインタビューを行った。のべ10時間近いインタビューなので内容を紹介するのはむずかしいが、印象的な話はたくさんあった。
「いい練習だけでは駄目なんですよ。いい準備というのは、チームが気持ちをひとつにして、チームとして勝つには何をやるべきかということをみんなで考えるということだと思うんです」
 雑誌「NUMBER」のキャンプ・レポートでで江夏豊がしばしば「いい準備」という表現を使うという話をしたら、彼はすかさずこんなふうに答えた。「いい練習」を重ねることについては強い自負を持つ彼もまた常日頃から「いい準備」ということについて考えているのだろう。
 彼の「いい準備」の定義は、僕にはたとえば大学日本一となった早稲田大学ラグビー部の練習を連想させたが、中竹監督の優勝コメントを見ると彼の”準備”は選手たちが主体的に考え、動くことに向けられたことがうかがえる。そして、最終的には「自分は何もしなくても大丈夫」なチームを作り上げた。”オレがいなくてもいいように、オレががんばる”という不思議な自意識は個人と集団の関係を考えるうえで非常に興味深いが、とりあえず相当に上等な精神の作用であるように感じられる。そうでなければ、自分の不在によって全体のなかにおける自分の意味が明らかになる、というその入り組んだ関係性をまっとうすることはできないだろう。逆に言えば、そういう精神性を持つ人間がリードする集団はやはりその集団としてのポテンシャルを十全に発揮できるはずだ。そして、それはまさに赤星が言うところの「いい準備」であるように思われる。
 さて、サッカー日本代表は監督が代わって最初の試合を間もなく行うが、「いい準備」ができているだろうか? 















クョスコニョ    [1] 
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