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ツアー"沈黙の臓器"の追加公演であり、ワンマンの会場としてはバンド史上最大のライブである。ステージに現れた田中さんが会場の広さを確認するように客席を見渡していたのが印象的だった。実際、打ち上げで西川さんに聞いたら、素朴に"広いなあ"と思ったそうだ。そのせいで緊張していたのか、あるいは先のライブから約1ヵ月インターバルが開いたせいなのか? 出だしは何やら堅さが感じられたのだが数曲で持ち直し、中盤の「羽根」や「遠くの君に」あたりはこれまででも最高では、と思えるような演奏だった。その後、MCを挟んでディープな曲が続くパートに入っていったのだけれど、その内容に呼応して照明がひと際派手に。でも、個人的にはその照明が気負い過ぎに思われて演奏への集中が削がれることになってしまった。2日前に「松紳」というテレビ番組で松本人志が「女の子がやる気まんまんだと、かえって欲情しない」という話をしていたのを思い出したりもした。それでも、そのパートを終えると、演奏自体、急に伸びやかになった印象で、そこからの数曲が現在の彼らのアベレージといったところだろうか。全体としては、実に着々と音楽的成果を積み上げてきた彼らのひとつの到達点を示すことにもなったし、会場のキャパが広がったこの機会に初めて彼らのライブを見たという人も少なかったようだし、やはり意義深いステージになったと言うべきだろう。
ただ、この日のステージの最も重要な意義はおそらく、この日の経験が次のステップへの導火線になったようであること。おそらく彼らはこれまで以上にいい曲を仕上げて、この秋あたりに届けてくれると思われる。
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