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○月×日 桑田佳祐新作試聴会 |
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桑田佳祐が2月にリリースする新しいソロ・アルバムを、その制作が行われたスタジオで聴くという催しである。ソロ・アルバムはじつに9年ぶりになるそうで、全17曲、約70分というボリュームからも月並みでない気合いの入り具合がうかがえるわけだが、聴き通した印象としてはその気合いのベクトルは”ミリオンセラー狙ってます!”みたいな方向ではなく、敢えて言えばもうちょっと渋い方向に向かっているように思われた。というか、気合いを入れて作ったら、そういうちょっと苦い内容にならざるを得なかったということなのかもしれない。特に印象的だったのは、アルバム全体を包んでいるゆったりとしたタイム感で、もちろんアップなナンバーやファンキーなアレンジの曲もあったが、印象としては時間の流れがゆったりとしている。試聴後に紹介された桑田のビデオ・コメントで、彼は「境地」という言葉を使っていたけれども、このタイム感が彼の現在の心境を象徴しているのだとして、そうした感覚が生み出した音楽を世間がどんなふうに受け止めるのか、大いに注目である。
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