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○月×日 歴史はいつ作られる!? |
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僕より世代が上で、毎週馬券で熱い思いをしている人なら、スティーブ・マックイーンと松田優作が死んだ年をすぐ言えるはずだ。その年の有馬記念で、圧倒的一番人気のメジロマックイーンをブービー人気のダイユウサクが差し切って競馬史に残る大波乱となったから。そして、2014年。ヤンキースにいた黒田が20億の契約を断って古巣の広島カープに戻ってくることが報道され、ジョッキーが黒帽をかぶって走る2枠の馬が勝つと直感した人が楽しい年末を過ごすことになった。もちろん、勝負事はただの語呂合わせで決まるものではない。が、結果が出てしまった後では、それくらいの理由で説明するのがちょうどいいような気もする。
6月のワールドカップの日本代表の結果について、ザッケローニは「歴史が足りなかった」と総括した。準備を失敗したというような報道も目にしたが、それはまったく違う、と。カズが、同じ言葉を口にしてから20年。確実に時間は重ねられたが、まだ「歴史」は足りない、ということらしい。思うに、「歴史が足りない」のではなく、「革命」が必要なんじゃないかという気もするのだが、おそらくはこの国の最も苦手なことのひとつは「革命」だ。もっとも、多くの物事がそうであるように、それはこの国のとても重要な美質の裏返しなんだろうが。とりあえず、個人的には「黒だ!」という自分の直感を信じきる思い切りが必要だなと思う年の暮れである。
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