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  ○月×日 浅田信一取材
   イベンターのフリーペーパーの取材でライブについて聞く。本人も認めている通り、浅田さんは曲を書くことを通して自分を前に進めるというタイプの人間だ。今日のインタビューのなかでの表現を借りれば、「曲を書くことを通して自分をセラピーしてきた」ということになる。当然、そこでは正直さこそが意味を持つわけだが、その正直さが彼の音楽の重要な魅力のひとつであることを考えれば、音楽を作りながら悩むというあり方も悪くないのかも知れない、なんて無責任に思ったりもする。もちろん、だれでも悩めば彼のようなロマンチックな表現を手に入れることができる、というわけではないのだけれど。
 ところで、僕が彼にインタビューするとたいてい、そんなふうに曲作りを通して自分と向き合う彼の営為がライブという空間ではどんなふうに昇華されるのか、というところに行き着く。それは、表現するということについての彼の欲の有り様を問うことにもなる。そして、彼はいつでも誠実に、よく考えて、そして「それをいまも考えているんですよね」と、答える。
そういう誠実さが彼のライブの大きな魅力のひとつだと僕は考えている。
クョスコニョ    [1] 
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