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  ○月×日 GOING UNDER GROUND取材
   間もなくリリースされるニュー・アルバム『稲川くん』について、メンバー全員にインタビュー。”稲川くん”は実在の人物で、松本素生の子どもの頃の友人である。新作は、その稲川くんにまつわる思い出を松本が突然思い出したことで一気にその輪郭が定まったアルバムだ。
「稲川くんという男の子を通して見た、人間の感情の部分ってあったんです。情けなかったりとか嘘つきだったりとか、でも優しかったり、誰かのことをすごく大切だと思ってその人を求めて生きていたりする、そういう普通の人に普通にある感情を歌いたかったんですよね。俺たちはずっと。<トワイライト>にも<サンキュー>にも『かよわきエナジー』のジャケットに男の子がいますけど、ということは稲川くんという男の子のことだけじゃなくて、そこににじみ出ている人間のエモさっていうか、それをずうっと歌いたかったんです。それがやっと、こういうことだねって口に出して自分たちで認識できるっていう。この10年間っていうのは、その認識はなかったと思うんです。なんか切ないねとか胸がキュンとするとか、それは全部その感情のことだったんですよね。生身の人間にもうちょっとにじり寄ったときで出てくる危うさとか、談志が言うところの業の部分というか。ずっとそれしか歌ってこなかったんだなっていうことを、ここにいたってようやくわかったんです」(松本)
 ただ、そこにはもちろん伊藤洋一脱退という、大きな”事件”があったからこそ、という側面もある。
「そういう稲川くんという人のことを今の時点で思い出したときに、自分たちのことと重なったんですよね。ゴーイングというのは1回バンドがブッ壊れて、またゼロから始めなきゃいけなくて、悔しいメにもいっぱい遭ったし、”アイツら終わってんじゃねえの”みたいな声も聞いたりしたなかで、そういう負の感情に気持ちを預けたら多分それはそれでけっこうラクで、そのままなんとなく終わっていったのかもしれないけど、でもこの4人は洋一さんがいなくなってもバンドやろうよっていうモチベーションを持ってたから、哀しみとかそういう嫌なこともバネにしてひねくれないでやってきたなあっていう自分たちの姿と重なったんですよ。つまり、オレたちがやりたいのは、肯定するっていうか、すべて受け入れて肯定して歌にしたいっていう。それを気づかせてくれた曲だったんですよね。<稲川くん>という曲は。だから、なかなか完成するわけもなくて、出来ては壊し、出来ては壊しっていう。まだ作ってる途中なんです」(松本)
 というわけで、彼らのこれからの軌跡は、「稲川くん」という曲を作り上げる過程というふうにも言えるはずで、今回の新作はそのスタートを告げる号砲のようなアルバムであるというふうにも言えるだろう。
クョスコニョ    [1] 
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