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  ○月×日 ASIAN KUNG-FU GENERATION取材
   約2年ぶりのアルバム『マジックディスク』についてメンバー4人にインタビュー。彼らは2008年に2枚のアルバムと1枚のミニアルバムを発表したわけだが、さすがにその直後は”出し切った感”が強かったようだ。それで、これまでとは違うやり方を模索することにもなった。
後藤「みんなそれぞれやりたい曲を4曲ずつくらい持ち寄って、それでアルバムになったらいいね、みたいな話をしてましたね(笑)。誰かのやりたい方向にググッと行ったほうがいいんじゃないかという話もしていたし。当時はオレもお茶の出がらしみたいな状態だったから。“次はもう書かない”って豪語してましたから。書かないというか、書けないというか」
――それで、しかる後に曲の発表会をやったんですか?
伊地知「やりましたけど、そこでちゃんと“宿題”をやってきたのは山田だけでした(笑)」
後藤「潔が“ラピュタ”を歌ったのは、誰の曲だっけ?」
伊地知「あれは、オレと建ちゃんの共作の曲だよ」
――ラピュタ?
山田「(笑)、ある曲のネタがあって、そこから作ってみようという話になったときに、潔が即興で歌ったメロディが『天空の城ラピュタ』の主題歌にそっくりだったんです」
後藤「そこまで似てたら、もうカバーだろっていうくらい似てて…(笑)」
伊地知「それ以来、“歌メロについては潔はラピュタしか歌えないから”って、なんのアドバイスも求めてこなくなりました(笑)」
山田「ごっちが使ってるCubaseというソフトを事務所から支給してもらってパソコンの環境が整ったら、“こんなにいいものはない!”と思いましたね(笑)」
後藤「ダンス・ミュージックの人がよく使ってて、中田ヤスタカさんなんかはそれを使って完パケまでいってるという環境なんですけど、もちろん普通にレコーディングもできて、でも特にリズムの打ち込みにはすごく特化したソフトなので、デモ作りにはいいかなと思って。で、みんなとファイルを共有したいと思っていたんです。そうしたら、なんか面白いことになるんじゃないかあなっていう勘があって。それで、みんなのパソコンにも同じソフトを入れてもらって。それでスタジオのパソコンとも同期させて、みんなでデモを聴き合ったりというような流れにはなっていきましたね」
 そうして完成したアルバムは、地に足の着いたポジティブな意欲を感じさせると同時に、新しい連帯感の予兆のようなものを感じる。
「ある種の祝福のような音楽を作りたいということですよね。生きているということに対してとか、この時代に対してとか。そういう思いをどこかに抱えながら、それぞれの曲作りに挑んでましたと、後藤は語る。個人的に印象的だったのは「ラストダンスは悲しみに乗せて」という曲で♪アイラブユー♪と歌っていることだ。
「音楽は基本的に抽象的なものだから、音楽に関しては意図した結果である場合もあれば意図しないで良くなっている場合もありますよね。音楽って基本的にそういうものだから、それでいいと思うんだけど。でも、言葉というのはかなり意図的に書いていくしかないんですよ。絵の具をキャンバスに投げつけて“いいね”っていうのとは違うから。この線はこう引くということについて、ある程度は論理的な裏付けがないと。例えば、抽象的な歌詞を書こうとすれば、それはかなり意図的に書かないと抽象的なものにはならないですよね。あるいは、完全にデタラメに書くか。そういう意味では、今回の「アイ・ラブ・ユー」に関しては、最初に“愛”とか“LOVE”とか、そういう言い切りづらいプラスの感情って、けっこう真剣に掘り当てないと、自分の作ったもので社会にいい作用をおよぼしたいっていう、そういうものにはならないなと思ってたんです。歌詞を書いていくうえで、究極的にはみんなが愛とかLOVEとか呼ぶものに迫っていかなきゃいけないという気持ちはどこかにあるんです。真ん中にはそういうものがあるんだけど、でもそれはかなり厄介なものであることは自分でもわかってて。というのは、例えば現実には愛の名の下に人が殺されたりもしているわけで、この厄介なものをどうやって言い当てたらいいんだろうっていう、そのままの気持ちが「新世紀のラブソング」になっちゃてるんですけど(笑)。今回の歌詞は、そこからスタートしてるっていところもあるんですよね。で、いろいろこんがらがって、実際に「アイ・ラブ・ユー」と書いて終わってみたりとか。そういう試行錯誤のひとつであると思っています」

クョスコニョ    [1] 
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