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  ○月×日 Not Well,Be Honest
   まさかタイミングを合わせたわけじゃないだろうが、小沢一郎が捕まるや捕まらないやと世間が騒がしいこの時期に小沢健二が13年ぶりにツアーを行うことを発表した。♪海から撫でる風にしらけちまった純情を帰し/本当のことへと動きつづけては戸惑うだけの人たちを笑う♪なんてふうに歌ってる頃には、さすがのオザケンもこんな世の中になるなんて予想していなかったと思うけれど、それでもある種の人々にとっては小沢一郎の「革命」よりもオザケンの歌のほうがはるかに世の中をいい方向に向かわせる力になるだろう。それでも、真実の現れにくさというものは周知の通りで、しかもその現れにくさの程度は真実の大きさに比例するから、もし小沢一郎という人物がわれわれが考えている以上に巨大な人物であったならば、彼の真実が明らかになるのにも相当の時間がかかるだろうし、ということは彼が理解されるのにもかなり時間がかかるということである。もっとも、世の中の多くの人は彼を理解しようなどとはほとんど思っていないのだろうから、「小沢一郎の真実」というようなものは結局のところなかったに等しいということになるはずである。
 重要なのは、正直さというものが真実の露払い役を務めるということで、言い換えればまず正直さが明らかになり、しかる後に真実が姿を現すというのが物事の筋道であるわけだが、小沢一郎には正直さのかけらもないというのが現在の通り相場だから「小沢一郎の真実」は現れようがないわけである。一方、小沢健二はずいぶんとひねくれた形ではあってもある意味ではイノセントな正直さを発揮することによって真実を共有したとリスナーにかつて実感させたからこそ今回のツアー発表はおそらくは”事件”となるはずなのだ。あるいは、海に帰した純情をもう一度背負い込んで旅に出るのかもしれないが、いずれにしても”年をとったオザケン”はその存在自体がひとつのメッセージになるだろう。
 ところで、正直さしかないように受け取られて、その向こうにある真実に目を向けられていないように感じるのは早稲田大学ラグビー部監督の中竹竜二だが、オザケンのライブでオーディエンスがその真実を共有したように、彼の真実はグラウンドで同じ時間を共有した選手たちにはシェアされたかもしれない。個人的にそう信じたいということでしかないのかもしれないが、仮にそうであったならそのシャアされたものを例えば”早稲田の伝統”というようなものに矮小化してしまうことなく、人間の切実にして誠実な有り様の貴重なモデルとしてきちんと理解されることを期待するばかりである。かつて「WELLは良くない。HONESTに書け」とブローティガンは村上龍に言ったそうだが、上手くやっても伝わらない真実というものが確かにあって、そうしたものに対するまっとうな理解を求めるうえで中竹の正直さは十分過ぎるように思うが、加えて”けっこうタヌキなんじゃないか”と思わせる強度も備えた正直さだからこそ、その向こうにある真実もたくまくしく生きながらえるに違いないと思ったりする。
 同じように、サッカー日本代表監督の岡田武史も確かな強度を持った正直さで選手たちをまとめているように感じられるが、あるいはサッカー代表監督ともなればしたたたかなくらいの強さがなければ正直さを保てないということなのかもしれない。それはともかく、ここにおよんでいよいよ小笠原を招集したことはじつに納得できるもので、特にかねてから2006年はなかったことにして改めて黄金世代中心にチームを編成しナイジェリアで開催されたワールドユースでの準優勝の再現を狙うことを考えていた僕としてはさらに中田浩二も加えてほしいくらいである。12年前には最終選考でカズを外して大いに世間を騒がせた岡田監督だが、今回は俊輔をどう扱うかが最大のテーマになるかもしれない。一応、しっかり日本代表を支持する立場なので予選グループはカメルーン○、オランダ○、デンマーク×の2勝1敗と予想しておく。
 というわけで、個人的には胃カメラを飲んだり確定申告を済ませたりしたら、あとはオザケンのライブを見て6月のワールドカップになだれ込むということで今年前半は終わってしまう予定である。
クョスコニョ    [1] 
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