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  ○月×日 サッカーにコペルニクス的転回はあるのか!?
   武道館から中野に帰ってきたのが21時20分くらい。試合開始前に家に帰り着くのは無理だろうと思っていたので、録画予約をセットして出てきた。駅前の馴染みの店でビールを飲んで帰ることも予定通りである。この店にはテレビがあるのだけれど、たいていはNHKにチャンネルをあわせている。この日は12チャンネルだったけれど、サッカー以外であれば、なんでもいい。”明日は目黒のさんま祭りか”なんて思っていたら、突然さっきからにぎやかに話していた3人組の客が「あっ、今日はサッカーやってんだよな」と言い出した。”おっ、これは雲行きが怪しくなってきたぞ”と思っていたら、その3人組のひとりが店の人からテレビのリモコンを受け取ってサッカーの放送を探し始めた。”これはまずい!”と、すかさず勘定をお願いした。幸い、彼らが10チャンネルにたどりついたときにはハーフタイムだったが、それでも「前半0-0だって。日本もなかなかやるじゃん」という言葉を耳にしてしまった。うむむ。
 帰宅し、メールなどをチェックしながら23時を過ぎるのを待って、ビデオを確認しに行くと、訳の分からない通販の番組が映っていた。21世紀もすでに10年近くが過ぎようとしているこの時代にビデオの予約録画をしくじる人間がどれほどいるのかわからないが、多分その割合がこの間の総選挙で社民党が獲得した得票率を上回ることはないだろう。
 政治の世界では、そうしたマイノリティがキャスティングボートなるものを握るという力学がはたらくこともあるようだが、社民党にはそうした力学に通じた人が果たしているだろうか? そうした力学に与せず、自らの思想・信条をまっとうすることに専心してこそ社民党、という考え方もあるだろう。つまり、これは政党のアイデンティティに関する問題であるわけだが、自然の力学に拘泥しない者を物理学者と呼び得ないのと同様に、政治の力学にかかずらわない者を政治家とは呼ばない、と言ってしまえば、社民党などは政党ではなく政治運動体くらいの認識が適当だろうということになるかもしれない。その上で、政治運動体が連立に参加した政府とはどういうものなのか?なんて考えたときに、”やっぱりこの国は駄目でしょ”と思う人は、多分はサッカー日本代表のベスト4も期待できないだろう。もちろん、それは至極もっともな考えで、現実的という以上の説得力があると思う。オランダ戦についての、スポーツニュースの映像、報道されている岡田監督や選手たちのコメントを見る限り、その結果もまた至極順当なもので、だから来年6月の本番での日本代表の活躍を期待することは、その約1ヶ月後に行われる参議院選挙での社民党の躍進に賭けるようなもの、ということになるのかもしれない。
 個別の話をすれば、本田という存在は、ここまで入念に連動性を組み上げてきた分子構造としてのチームにおける、文字通りの異分子であるようで、今回の敗戦を受けてその分子構造の更なる強化を宣言した監督のもとで、その異分子が構造への適応を目指すのか、あるいは異分子として構造の活性化を目指すのかは、すぐれてサッカー物理学的な興味をひき起すことになるだろうし、本田目線でこの問題を捉えれば、これもまたアイデンティティの問題であるだろう。個人的には、ハートの強さまでを含めたのが才能という意味で、彼の才能をこれまであまり感じていなかったから、”いよいよ才能のきらめきを見せてよ”くらいの軽い感じである。
 ところで、サッカーにも力学はもちろんあるはずで、でもここまでの岡田監督の戦いぶりは敢えてその力学に向き合わず、自らの理論の構築にのみ励んできた印象だ。それをサッカー理論物理学と呼べば、本物の理論物理学者からはひんしゅくを買いそうだけれども、それにしても彼の論理展開がカペッロやヒディングといった筋金入りのサッカー物理学者を一蹴したときには、まさに世界がアッということになるのだろうと思われる。その確率を考えるのは、今度は理論統計学の仕事になるのかもしれないが、いずれにせよビデオの予約録画を失敗する人間のあずかり知らぬことで、さしあたってのガーナ戦が無事に録画されるかどうかはサッカーの神様にお祈りするしかないだろう。
クョスコニョ    [1] 
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