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  ○月×日 小泉今日子取材
   コイズミさんに会うのは多分、20年ぶりくらいである。何を聞いたか全然憶えてないが、2回会って2回ともろくなインタビューができなかったことだけは憶えている。というわけで、緊張するかなあと思っていたのだけれど、それほどでもなかった。というか、彼女がまとっている柔らかな空気のおかげで緊張にせずに済んだというのが正しいかもしれない。
 11月末にリリースされる5年半ぶりのニュー・アルバムについてのインタビューだ。アルバム・タイトルは『Nice Middle』というわけで、当然年齢を重ねてどうなったかという話になる。
「前は人のためっていうか、私の場合は半ば攻撃になってたから。新しいものを作るということが。次はどんなことをしたら、みんなが驚くかな、みたいな攻撃性みたいな部分があったと思うんですけど、今はそういうことは全然なくて、もちろん聴いてほしいとは思うんだけど、今の方がすごくパーソナルというか、自分のために作っているような感覚があって。誰にも聴かれなくても、自分だけ聴ければいいや、くらいの気分にもなる。昔は、とにかくリリースのスケジュールも年に4枚シングルを出して2枚アルバムを作って、その他にも何か企画盤みたいなものを作ってっていうふうに決まってた時期にはそんなふうには考えなかったですよね。で、ずうっとそういうことをやり続けていたら、ちょっと息切れしちゃって…。別に憤りもそんなにないのに、なんでそんなに攻撃的になってるんだろう?みたいな(笑)気分になって、年齢的なこともあったのかもしれないけど、だったら一回女優のほうに土台を移しちゃえっていうような気分になって、そのうち鼻歌みたいに歌が歌えたら、楽しくなるんだろうなってなんとなく思ってたけど、今はそういう感じなんだと思う。誰かのために歌ってるんじゃなくて、自分の時間が楽しくなるために歌うというようなことになってるんじゃないかなあ」
 そして、もちろん現在の彼女は年を重ねた自分を肯定している。
「今年の前半は映画のプロモーションが立て込んでて、テレビに出たり雑誌に取材してもらったりっていうことをいっぱいやったんですけど、思いのほか女の人の反響が大きくて、同世代だと“キョンキョンががんばってるから、わたしもがんばれると思います”とか、ちょっと若いコだと“年をとるのが怖くなくなります”とか。そうなんだって思って。なんで『Nice Middle』っていうタイトルにしたかっていうと、中年って忙しいし、大変だし、元気なくなっちゃうようなことだらけなんだけど、でも世の中でいちばん現役感を持っていなきゃいけなくて、ホントはいちばん元気じゃなきゃいけなくて、って思うんです。だから、中年が元気で楽しそうに生きていることが、後から歩いてくる人たちのちっちゃな明かりになるんじゃないかなっていう感じがしてたから、『あなたと逃避行』は中年の恋愛観みたいなものを書きたかったし、『美しい世界』では♪長生きがしたいな♪っていうフレーズが出てきたりしてるんですけど、今ここにちゃんといるっていうことをちゃんと感じてほしいなあって思って。背伸びでもなく、若作りでもない感じというか。で、出来上がってみたら、全体的にそういう感じがしたんですよね」
クョスコニョ    [1] 
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