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○月×日 真心ブラザーズ取材 |
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11月にリリースされるニュー・アルバムについてインタビュー。彼らは来年、デビュー20周年を迎えるわけだが、そのアニバーサリー・イヤーに向けたステップとなるこの新作は、そうしたアニバーサリー気分を笑い飛ばすような快作(あるいは、怪作)になった。
「パッと聴いて、パッと面白いものっていうのは意識しましたね。何回か聴いてるうちに良くなってくるっていうんじゃなくて。“バカだなあ、コイツら”と言われたいというか。やり過ぎるっていうのがテーマだったかもしれない。やり過ぎるくらいやらないと駄目っていう意識はずっとあったと思います。迷ったら過激なほうを採るっていうか」(倉持)
モータウンからメタル、テクノまで様々なジャンルに果敢に取り組み、しかもそこには「小賢しくならない」という、彼ら一流の“美意識”が貫かれている。
「それがすごく大事で、というのも小賢しくならないようにするのは誰にでもできることじゃないというのはわかってたんで。笑えるくらい、よく出来てるというものを目指したというか。それくらいでないと小賢しさが見えちゃうから」(桜井)
つまり、20年選手ならではの知識と技術を縦横に駆使していながら、”さすが20年選手”と思わせないくらい凄いということ。それだけに、本人たちの手応えと喜びは大きい。
「技術は確かにあるんだけど、昔から変わらないのは軽やかさというか、“あれ、やっちゃおか”みたいな感じが20年経ってもあったのは、自分たちもやってて楽しかったですね。始めた頃からずっとあったと思うんだけど、いい意味でのアマチュア感というか、それがこの20年目のアルバムで結実したような気がします」(倉持)
「個人的には1st の『ねじれの位置』に近いなと思ってて、あのときも無茶苦茶やりたかったんだけど、どうやったらいいかわかんなかったし、ロックンロールやブルースをそれっぽくやるのに全部アコースティックでやっちゃうっていう括りで凌いだんですよね。それが、本当はこういうふうにやれたらなあって考えてたことが20年経ってやれた気がしてて。でも、当時はこんなふうにやれるようになるとは思ってなかったですから。すごく幸運なミュージシャン人生を歩ませてもらってるなあって思いますよね」(桜井)
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