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  ○月×日 がんばれ!デンマーク
   雑誌「サッカー批評」23号を読んでいたら、寺山修司の言葉としてこんなフレーズが引用されていた。

「方法論を持たない思想は、思想を持たない方法論にも劣る」

確かに、僕もこのフレーズを寺山の文章で読んだ記憶があるのだけれど、でもそれもカミュか誰かの引用ではなかったか? それはともかく、「サッカー批評」では、ジーコの思想は素晴らしいかもしれないが、その思想を実践する方法論がない、という脈絡でこのフレーズが引用されていた。その文章を読んでいると、確かにジーコは方法論がないかもしれないが、それ以上に日本の選手の意識の低さが問題なんじゃない?という気になってきた。

 そんなところでEURO2004のイタリア×デンマーク戦を見ると、でもやっぱり方法論は大切という気にもなるから、まあ、我ながらいい加減なものである。

 イタリア×デンマーク戦は、デンマークの健闘が光ってスコアレスドローに終わった。でも、「デンマークの健闘が光って」という言い方はデンマークに失礼かな、という気がするくらいデンマークは素晴らしいサッカーを展開していた。イタリア絡みの試合では、最近はやりのボール・ポゼッションの比率というものは、イタリアがボール・ポゼッションという価値観を放棄しているから、あまり意味がないのだろうが、それにしてもデンマークのボールの支配率は高く、結果として試合そのものもかなりの時間帯でイニシアティブを握っていたように思
う。で、デンマークが素晴らしいのは、終始ボールを動かして、執拗にサイドへの展開をはかり、その結果として生まれる相手の綻びを突く、という意識が見事に徹底されていたことだ。デンマークの選手はみなその方法意識に忠実だったが、もちろん決して不自由な印象は受けなかった。おそらく彼らのなかでは、その方法意識は、方法意識として意識されることはないだろうと思われる。いわゆるオートマティズムが機能している状態だ。

 ちなみに、イタリアの堅守速攻という勝利の方程式は、おそらく彼らにとってみれば方法以前のDNA的命題だろう。

 というわけで、この試合を見終わった後の感想を先のフレーズに倣って言えば、「徹底した方法論の実践は結果、思想となる」といったところだろうか。
クョスコニョ    [1] 
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