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○月×日 高野寛、ストレンジヌードカルト取材 |
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高野さんはgooの環境特集のインタビュー。彼は、僕が雇われプロデューサーをやっていたWOWOWの音楽番組のパーソナリティを務めてくれた人だが、ちょうどその番組を担当していた時期に彼は日比谷公会堂で森林保護をテーマにしたライブに出演していた。しばしばそうだが、彼は早過ぎるのだ。もちろん、彼はトレンドを捉えるようなつもりでそのライブに出演していたわけではないだろうけれど。環境問題に取り組むことがブーム的な盛り上がりを見せている今ならスポーツ新聞だって取材しそうなそのイベントはしかし、当時はわりとこじんまり行われていた。僕にしても当時は環境問題をテーマにして彼にインタビューすることになろうとは思いもおよばなかったが、実際にインタビューした今となっては、これも必然だったような気がするから不思議なものだ。そのなかで、坂本龍一が先日行った、ロウソクの灯りのなかでピアノを弾くという、音楽的にもエコのメッセージを発信する意味でも刺激的なコンサートの話になった。
「僕が感銘を受けたのは、途中でひとり連弾のコーナーがあって、自動演奏ピアノと2台で演奏するんですよ。つまり、アコースティックな共演をひとりでやってしまうという。そこでは、ハイテクとアコースティックなものがすごくナチュラルな形で、しかも坂本さんしかできない形でそこに共存してたんです。それがすごく感動しました。なんかテクノの未来形を観たような気になりました」
そこで僕が思い出したのは、彼がWOWOWの番組で宮沢和史とふたりで披露したYMOのカバーだった。というのは、それは間違いなくテクノの未来形というか進化型だと当時思ったからである。
ストレンジヌードカルトは、3月にリリースされるミニアルバムについてインタビュー。過去2枚のフルアルバムは弥吉淳二のプロデュースを仰いでいたわけだが、今回はセルフ・プロデュース。しかも、演奏もギター、ベース、ドラムだけで進めることをテーマにしていたそうで、つまりはバンド3人のそれ以上でもそれ以下でも現在を詰め込んだ作品というわけである。
「すごい潔い音になったと思うんです」(川西)
ということは、彼ら自身が潔い演奏をしたということだが、その潔さは絶対に次につながる。バンドとして意味あるステップを彼らはしっかり歩んでいるようだ。
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