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○月×日 いきものがかり、高木正勝取材 |
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いきものがかりは、神奈川の路上で人気を集めていた3人組。3月にメジャー・デビューを飾る。僕は、先日イベントで初めてライブを観てから、今日の取材となった。デビュー・シングルはバラードとアップ・ナンバー、それにユーミンのカバーの3曲入りで、オリジナルの2曲はどちらも良く出来たポップスである。で、その行き届いた感じに相応の、地に足のついた感じがメンバーからは感じられて、でもそれが老成した感じではないところに魅力を感じた。
「このメンバーで長く続けられることがひとつの達成だと思う」(山下)
というビジョンもまた、じつに地に足がついている。
高木さんは、知っている人はとてもよく知っているミュージシャンにして映像作家である。いちばん最近のポピュラーな音楽作品と言えばorange rangeのリミックスということになるだろうし、ある筋の人たちにはデビッド・シルビアンやSketch Showのツアーに映像で参加したという事実だけで十分にリスペクトの対象になるだろう。で、実際ご本人はいかにも繊細そうなアーティスト然としたルックスだが、でも話してみると外見から懸念された気難しさみたいなものを感じることはいっさいなかった。
「最近、特に環境問題に対する方策が言われていますが、それは別に最近増えてきたわけじゃなくて、すでにあったものが意識されるようになったということのように思うんです。で、昔からリンゴは落ちていたわけだけど、ある時物理が得意な人がそれを見て引力が発見されたように、自然の力みたいなものは昔からずっとあるわけだけど、それを僕がある時感じたので今回こういう音楽になったということなんだと思うんです」
こういう音楽とは、彼が3月にリリースするミニアルバムのこと。『AIR'S NOTE』と題されたその作品は、確かにディープな自然界に身をおいたときに感じる波動のような感覚をじつに繊細な表現で音楽化している。
で、編集を手伝っていた雑誌の休刊を昨日いきなり告げられたのだが、夕方以降はその対応に追われた。こういうことって、まあ、あることだから、そこでドタバタしても始まらないのだけれど、でもあんまり淡々と対処してしまえるようになるのもなんだかせつない気がする。いずれにしても、僕の気持ちの重心はサッカーの日本×フィンランド戦、およびラグビーの早稲田×東芝府中戦に傾いてしまっているのだが…。
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