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  3月6日 クラムボン@SHIBUYA-AX
   オープニングアクトに登場したおおはた雄一はなかなかに印象的な演奏を聴かせてくれた。とても達者にアコースティックギターをプレイし、アーシーな肌触りの声としゃれたコードワークを駆使してナイーヴな夜の物語を描き出す。今後が気になる存在だ。

 で、彼の演奏が終わると、ゾロリとクラムボンのメンバー3人が現れ、4人で1曲演奏してみせた。その段取りは、なにげないことだけれど、オープニング・アクトを務めた人間とメインの出演者とのファミリアーなつながりを感じさせて、好感を持った。

 というわけで、2曲目からはクラムボン3人の演奏だ。この日は、昨年11月にリリースされたアルバム『imagination』をフィーチャーしたツアーのファイナル。当然、その新作からの曲を中心としたセット・リストである。あのアルバムは、小淵沢のスペースをスタジオに改造し、そこで合宿状態の生活を送りながら制作されたアルバムで、印象としてはドキュメント作品といった感じがある。タイプとしては様々な楽曲が並んでいるのだが、その音楽の成り立ちとその曲を生み出した人間たちの暮らしの息づかいを素朴に音楽化するという一貫した姿勢が全体に統一感を与え、その音楽の有り様が結果として暮らしそのものへの想像力を刺激されることになる、というわけだ。が、この日のステージでは、さらなるリアレンジとメンバーの濃密なパフォーマンスによって、楽曲はいっそうの広がりを得て小宇宙を浮かび上がらせる。想像力さえあればどこまでも行ける、という言い古された金言にあらためて輝きを与える演奏だった。そして、アンコールの最後に披露されたフィッシュマンズのカバー「ナイト・クルージング」は、そうした想像力に支えられた魂の自由が確実に新しい世代につながっていっていることを感じさせてくれた。
クョスコニョ    [1] 
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