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まず、正直に言って、彼らが青年館でワンマンをやると知った時、動員は大丈夫なのかな?と思った。それに、この日6曲目が終わったところでのMCで「ここからは未開の地なんですよね」と語っていたとおり、ワンマンどころか10曲のステージも経験していないバンドが青年館ワンマンをやり切れるのか?という疑問もあった。が、結論を言ってしまえば、チケットは売り切れてしまったし、約2時間のステージを彼らは3人だけでやりきった。もちろん、その演奏に技術的な注文をつけることは可能だが、そうしたディテールを置き去りにしてわれわれオーディエンスを説得してしまうような強さと温かさがこの日の彼らのステージにはあったし、その事実は何にも増して重要に思える。それは、この世の中がよくできた嘘を作り出すことにまい進する一方でデコボコした真実を見事に踏みにじってしまうことに、われわれはしばしば直面するからだ。
海北大輔は、話す時の声はいつも頼りなげなのに、歌う声はどうしてあんなに伸びやかなんだろう、と思う。
6月にリリースされるという2ndアルバムがなんとも楽しみになる、収穫の多いステージだった。
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