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正直に言って、まだちょっとAXはデカかったかなあ、とも思ったけれど、それでもやはりAXだからこそ実感した美点もあった。
まず、バンドの演奏力。それはかねてから定評のあるところだが、会場が大きくなり、ワンマンということで演奏曲数もグッと増えたにもかかわらず、さしたる綻びもなくしっかりステージをまっとうしてみせた。セカンドライン系のピアノにレスポールのスライドが重なるサウンドとなればそれだけで僕などは触手が動いてしまうけれでも、そうしたスタイルが決してコケ脅しになっていないところがいい。それから、ボーカル大川たけしのキャラクターがなんともチャーミングだ。ほとんど悪態しかつかないのだけれど、その身ぶりに邪心がなく、ハッタリさ加減が心地よい。年上の女性がグッときそうなタイプである。その無邪気さが広い舞台でいっそうの伸びやかさを得て際立った。
おそらくメンバーはこの日のステージを充分に楽しんだだろう。その快感が確実に次につながっていくと思う。
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