総計: 4349752  今日: 44  昨日: 1441       Home Search SiteMap
K's Glasses
profile
自己紹介
Diary 
Live Report
Recommend CD
  9月6日 VAMPS@ZEPP福岡
   8月1日の仙台から始まった、1カ所長期滞在型ツアーその福岡最終日である。初日の仙台は七夕を前にしていかにも夏だったが、この日yahooドームの傍らにあるZEPP福岡の前を吹き抜ける風には秋の気配も。で、秋の気配とは全然関係ないけど、会場に向かおうとしたら久しぶりにダフ屋に声をかけられたのが妙に懐かしかった。ただし、「野球のチケット、余ってるよ」って話だったけど。
 さて、ステージは例によってヘヴィなオープニング。その重心は仙台の初日よりもさらに低くなっている。そこから一度の簡単なMCを挟んで、一気に6曲。ここまでで、彼らがある方向にはっきりと舵をきって進んできたことを実感する。というのは、最初からガンガン飛ばしていくその構成は、バンドをひとつのマシンに見立てた場合に、できるだけ早く全体に油を行き渡らせるための方法であって、マシン全体に潤滑油が十分行き渡った後にはそのマシンの機能性を広げていく方向に向かうのだろうと初日の時点では勝手に理解していたのだけれど、そうではなくて最初からガンガン飛ばしていくということ自体がこのバンドのスタイルだったということだ。はっきりと舵をきった方向とはつまりそのストロング・スタイル指向のことで、中盤のややロマンティックな傾向が強くなるパートの曲目が仙台とこの日では違っていたのも、この指向を強めるというテーマに沿うものだ。全体の印象もかなりガシガシとしている。
 ツアーにおけるバンドは多くの場合、演奏上のコミュケーション密度を高めることによって各パートのエネルギーをバンドとしての熱に変えていく効率を上げていこうとするものだが、この日のステージを見る限り、VAMPSの方法は各パートの演奏の強度をお互いに正面からぶつけ合って、そのぶつかり合いによってバンドというマシン全体を発熱させようとしているように思える。その方法はいかにもスリリングだし、ある意味では刹那的とも言える。が、その方法はひとつの会場に長期滞在する今回のような形だからこそ可能性があるとも言える。さて、その野心的試みはどんな地平にこのバンドを連れていくのか? いよいよ行方が気になるVAMPSツアーである。

クョスコニョ    [1] 
 前のテキスト: 9月10日 GRAPEVINE@赤坂BLITZ
 次のテキスト: 8月31日 クラムボン@日比谷野外音楽堂
copyright(c)2008 TATSUYA KANEDA All rights reserved