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  3月26日 フジファブリック@赤坂BLITZ
  ニューリリース無しで行われた今回のツアーは、“フジファブリック×FUJIFABRIC”と題して、二部構成でバンドの2つの個性をクローズアップする企画ライブ。”the dark side of FUJIFABRIC”と題した第1部は、その名の通り照明も暗めでMCの声のトーンも抑えめ。対して、”the sunny side ofフジファブリック”と名付けられた第2部は、カラフルな衣装に着替えて照明は明度をアップ。志村のものマネも飛び出すリラックスしたステージになった。ドラムは、4月にリリースされるニュー・シングル「Sugar!!」のレコーディングにも参加した東京事変の刃田綴色。サウスポーらしい独特のノリで、バンドのビートにアクセントを加えていたが、個人的にはちょっと前のめり感が強かったかなあ。
 一部と二部の間の休憩時間には志村の自宅録音音源がBGMとして流されるなど、ちょっとコアな興味にも応える試みでもあったわけだが、ステージ自体は彼らの楽曲のタイプの明暗を際立たせることによって、そうした印象の向こうにある本質的な個性が改めて意識されたのが興味深い。すなわち、いわゆる”dark side”を下支えしている土着的な叙情性であり、”sunny side”の印象を浮き上がらせるアレンジの妙である。"dark side"で披露されたグランジーな新曲「Merry-Go-Round」もかっこよかったが、とにかくここでバンドの音楽的な棚お下ろしをやってみようという感じだったのかなと思う。ということはつまり、スウェーデン録音アルバムのリリースを間近に控えたタイミングでのこの企画は、デビューからの4年間で蓄積したものをファンとともにメンバー自身も再確認する意図も含まれていたのではないかと思われる。その新作が年代記を意味するタイトルであることを考え合わせれば、やはりバンドが次のステップへ進むための助走を加速させるようなライブだったんじゃないのかな。志村がMCで新作の手応えの大きさを再三口にしていたので、メンバー自身は次のステップへと踏み出した実感が在るのだろう。その成果を確認する意味で、6月にスタートする新作ツアーは注目だが、そこで今回のステージの意味が逆に改めて意識されることになるような気がする。


クョスコニョ    [1] 
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