|
|
4月にスタートしたツアー“どこまで細部になれるだろう”のファイナル公演。アコースティック楽器とコーラス・ハーモニーを基調にしたバンド編成で、ゆったりとしたテンポの曲を並べた前半はいかにも人肌感の強い内容だ。さらには弾き語りコーナーが続くにおよんで、ツアー・タイトルに謳われた“細部”とは改めて繊細な内面に向き合うということなのかと思わせられる。と言っても、随所に“スーパー森山直太朗”なる素っ頓狂なキャラクターを登場させてオープンな雰囲気を作り出し、もの思いに沈み込む風にならないのが直太朗流のエンターテイメントである。しかも、”スーパー森山直太朗”は狂言回しの役を果たしながら同時に、その名前からも伺える通り、森山にとってもうひとりの自分、あるいは自らを客観視する自分とも言うべき存在であって、そうした存在との対話によってこそ細部と向き合えるという彼の考えが具象化される形にステージ全体の構成が仕立て上げられている。ただ、おそらくはそんなふうに周到に考えられた構成をしつらえつつも、そのなかで存在感をしっかりと浮き上がらせていた森山自身のパフォーマンスがやはり印象的だった。
アンコールで颯爽と「さくら」を歌った後、さらにPAをはずして弾き語りで路上時代から演奏していた曲をまさに歌いきるといった感じで披露。52本という長丁場を、この野心的なセット・リストで乗り切ったことの大きさを彼自身も強く感じているに違いない。
0.どこまで細部になれるだろうのテーマ
1.故郷
2.君は五番目の季節
3.生きとし生ける物へ
4.明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた
5.花
6.夏の終わり
7.やさしさ
8.星がきれいな夜だから
9.高校三年生
10.愛し君へ
11.涙
12.太陽
13.風曜日
14.Q.O.L
15.今が人生
16.生きてることが辛いなら
[ENCORE]
1.グングルパーニャ
2.さくら
3.手紙
|
|
|
|
|