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山下久美子は今年デビュー30周年。6月には久しぶりのアルバム『手をつなごう』をリリースした。セルフカバーをベースにしたその新作の内容は、正直に言って、それほど印象に残るものではなかったけれど、それでも彼女がライブをやるとなれば、やはり見にいかないわけにはいかない。２回公演の２回目だったから、もしかしたらちょっとバテてるかな？という予想もあったのだけれど、結果的には２回目のほうが良かったんじゃないかという気がした。１回目はもちろん見ていないから、あくまでも”そんな気がする”という話でしかないが、そんな気がするのは僕が見た２回目のライブでも、彼女自身が自分のライブ筋肉やライブ勘について手探りな感じを持ちながらステージを進めているような印象だったからだ。つまり、１回目のほうがより手探り感が強かっただろうし、逆に２回目は１回目を終えたことから生じる余裕で上積みされた部分があっただろうと思われるということである。で、そんな手探り感を漂わせていても、そのあたりの有象無象アーティストなんかよりもはるかにライブ感があるし、オーディエンスとの間合いの取り方はさすがと思わせた。個人的には、”「バスルームから愛をこめて」という曲は本当はこういうロッカバラード風に聴かせたかったんだな”という遅ればせの発見もあったし、そういう味わいを加えながらも相変わらずチャーミングなロック・ボーカリストであることが確認できて良かった。
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9月22日 山下久美子＠Blues Alley Japan
