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  12月19日 黒沢健一@東京グローブ座
   アルバム『V.S.G.P』リリース記念ライブ、その第2日である。1日目は、アルバムではDISC-2の内容に相応するピアノとストリングスを従えてのライブだったが、この日はDISC-1にも参加しているギタリスト菊池真義をゲストに迎えて、ギターと黒沢のボーカルで構成された。しかも2部構成で、1部は黒沢ひとり、2部は菊池とのデュエットでの演奏である。
 2部の冒頭、2曲演奏し終わった後の最初のMCで、黒沢が「誰かと一緒に演奏するって言うのは楽しいよね」とつぶやくように言ったのは、もちろん1部でのソロ演奏の緊張を受けてものであるはずで、実際2部では菊池との軽妙な話も織り交ぜながら、演奏し合う相手の高揚を受けて、さらに自分も高揚していくというセッションならではの盛り上がりを見せて印象的だった。
 ただ、1部の演奏するほどにシリアスになっていき、自分の足元を掘り進んでいくような演奏もじつに魅力的で、さらに言えば、一人で自らの深いところに掘り進んでいってしまうそのシリアスさを他でもない黒沢自身がよく承知しているからこそ、人との共同作業のなかでポップな表現に向かおうとするのだろうという、彼の表現の深層をかいま見せることにもなったように思う。
 アンコールのMCで黒沢が「このアルバムを、ぜひみなさん、愛してください」と語ったのも印象的で、本当に納得のいく作品ができたんだなあとあらためて思わせられた。
クョスコニョ    [1] 
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