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  7月2日 GRAPEVINE@人見記念講堂
  2002年11月リリースの5th アルバム『another sky』の再現ライブ。田中のMCによれば「デビュー25周年だから何かやろうという話になって出てきたのが再現ライブで、なぜ『another sky』かと言うと、リリースされてから20年目だから」ということだった。筋が通っているようで、でもよく考えればツッコミどころ満載の説明はいかにも彼ららしいが、結果としてのステージが素晴らしいんだからなんの問題もない。
その演奏の素晴らしさに接して思うのは、「若いのに、完成度の高いバンド」みたいな評価で登場してきた彼らだが、そんな高いレベルからスタートしながらもこの25年の間に着実に音楽的な成長を遂げてきたのだなということ。『another sky』というアルバムは、代表曲と言われるような曲も収録されておらず、今となっては比較的印象の薄い作品という位置付けにあると思うのだけれど、あらためて聴き直してみると、リズムのアプローチや音響的な工夫に現在の世界観に通じるものが見られ、個人的には“リリース当時にこのアルバムの価値を全然理解できてなかったな”と大いに反省した次第。そして、この日の演奏ではリリースから20年の間に蓄積された技術と知識でこのアルバムの世界がはらんでいた奥行きを十二分に表現して見せた。というか、当時はメンバーも見えてなかった世界が今なら見えるから音にしてみた、ということかもしれないけれど。再現の演奏を終えて、休憩を挟んだ後の演奏がまた素晴らしく、最新作『新しい果実』の曲でさえ、その啓示的なメッセージがより深く静かに響き渡るようだった。
ちなみに、ここのところずっと感じていたことだが、ステージ照明がいい。GRAPEVINEならではの抑制の効いたロマンティシズムを見事に視覚化して、音楽の広がりを増幅している。こうしたステージ表現を同時代的に味わえることの幸福を実感した一夜だった。
クョスコニョ    [1] 
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