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初めてのEP『FAB STEP』をフィーチャーしたツアーのファイナル。その音源のテーマは“ダンス”だったから、このツアーも当然そうしたテーマを感じさせる内容で、特にカラフルな印象を与えながらも演奏しているメンバーを押し出すことはしない前半の照明はいかにもクラブ的。メンバーにピンスポットが当たったのは、じつに３曲目のベース・ソロが最初だった。もっとも、演奏される音楽自体はやはりバンドらしい“踊らせ音楽”であって、メンバー３人にボボのドラムを加えた４人がそれぞれにしっかりと自身の生身なグルーヴを打ち出し、その絡まりが渦となってオーディエンスの体を揺らした。山内がMCで語った通り、ダンス・ミュージック的な要素はこれまでの彼らの音楽にも含まれていたし、むしろバンド音楽としてはそういう要素が色濃いタイプと言ってもいいだろうが、“ダンス”をテーマに据えて作った作品と従来の楽曲が並んだこの日のセット・リストを聴くと、例えば“踊らせる”ビートを柱に据えながらもエキセントリックな展開を折り込んで世界を広げてみせるのが彼らの重要な個性であることをあらためて確認できる。そして、“ダンス”をテーマにしながらも最終的には、３人体制になっていよいよその印象を強めているスペイシーな開放感や世界観が会場を包み、やはりそこに現在の彼らのアイデンティティーがあることを実感させたライブだった。
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11月23日 フジファブリック@ZEPP TOKYO
