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9月のBUCK-TICK FESで初めて披露した新編成のバンドによるツアー。名古屋、大阪とまわって、この日が最終日。ツインだったギターが1本になり、それにドラムとyukihiroの3人から成る新編成バンドは、名古屋と大阪ではギターはKENT(Lillies and Remains)が務めたが、この日は小林祐介(THE NOVEMBERS)が担当。ドラムはすべての公演で山口大吾(People In The Box)が務めた。
で、注目の新編成サウンド。分厚い音で独自の世界を構築するという印象だったこれまでのサウンドと比べると、メロディ、つまりはボーカルが前に押し出された感が強い。もっとも、この日の演奏がこれまでとは完全に違うと思わせたのは全体に漂う色濃いロマンティシズムで、言うなれば「アンドロイドの人間化」が進んでいるとさえ感じられた。もちろん、まさにズシリという形容が相応しい低音の響きは硬質だし、扇情的なビートの不穏さは相変わらずだ。それでも、中盤の「pause in end」「purification」「amniotic」と続くあたりでは、曲ごとに明確な主張を感じさせる潔い演出が印象的だった照明の後押しも受けて、ドラマティックに独特の抒情性が展開されて新たな世界の広がりを見せつけた。そこから、定番とも言えるアップ・チューンに入っていったが、ここでもこれまでよりもBPMはやや遅めの印象だったが、しかしのそのテンポがじつは絶妙で渦を巻くように興奮をかき立てていき、これまでの直線的な高揚よりも最後に訪れるカタルシスは大きかったのではないか。少なくとも、終演後に客席から巻き起こった熱狂的な拍手は、yukihiroの新しいアプローチが強く支持されたことの確かな証だろう。
acidのライブは、絶対数が限られているだけに、いつでもライブ1本1本が貴重だが、大いなる進化へのプロセスをかいま見せたこの日のステージは、将来acidの音楽を語る上でもひとつのエポックとなるのではないかと思えるほどのステージだった。
1.let’s dance
2.daze
3.gamble
4.clockwork dance
5.intertwine
6.unsaid
7.mode inversion
8.double dare
9.pause in end
10.purification
11.amniotic
12.swallowtail
13.violator
14.i.w.o.m.f.p.p just an android
15.balancing doll
16.imagining noises
17.egotistic ideal
18.violent parade
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