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2月にリリースされたアルバム『A Scenery Like Me』をフィーチャーしてのツアーのファイナル。先のアルバムが「昔の曲をライブをやりたいからリアレンジしてリリースした」という作品だったから、そこに「やさしい気持ち」や「Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜」、さらにはデビュー曲の「Heaven」などがラインナップされたセットリストは、さながらヒストリー・ライブのようだった。もっとも、そのテのライブにありがちな懐古趣味は微塵もなく、それどころか波に漂うようなアンビエント感とまばゆいばかりの騒擾感との見事なコントラストはまさにオンタイムなロックライブだった。CHARA自身の、MCで覗かせる穏やかな愛らしさから、楽曲の高まりとともにいきなりエキセントリックな興奮状態へ入り込んでいく瞬間的なエネルギーは圧倒的で、やはりワン・アンド・オンリーと言っていい存在だ。
ちなみに、終演後のあいさつでCHARA自身が語ったところによれば、この日は客席に向かって鳴っている音とモニターから演奏者が聴く音、いわゆる「外音」と「中音」とのバランスが絶妙だったたために滅茶苦茶やりやすくて、気持ちよく演奏ができたとのこと。そうした天の配剤もあって、素晴らしいライブが生まれるわけである。
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