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3回目の野音である。入り口で配られるしゃぼん玉セットもすっかりお馴染みになった。メンバーは、と言えば「3回目ともなると慣れるかなと思ったけど、やっぱりドキドキですね」(ミト)とのこと。でも、そのドキドキ感は変な気負いや動揺に向かうのではなく、演奏の瑞々しさにつながっていたように思う。特に中盤の「コントラスト」「246」「id」といった曲では、自分たちの音楽を空の彼方までも響かせようとするように思いきり伸びをしたようなおおらかな演奏ぶりが印象的だった。そういう演奏の後では、酔っぱらって騒いでいた連中も一瞬黙ってひとしきり拍手を送る。
新作を携えてのパッケージ・ツアーで各地をまわって練り上がってきた演奏を体験するのも楽しいが、この日のようにアーティストが演奏したい曲を淡々と演奏していくステージにはそういうステージならでは魅力がある。それにステージ運びの訥々とした感じはこのバンドのキャラクターにもそもそも沿うものだ。すっかり自分たちの流儀を心得た感じのそのステージはなんとも清清しく、そうしたライブの後では間もなくリリースされるという原田郁子のソロに対しても自然に期待感が高まるのだった。
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