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1月にリリースされたアルバム『真昼のストレンジランド』をフィーチャーしたツアーのステージ。
田中のMCの言葉を借りると「盛り上がるとか盛り上がらないとかとは違うところで」やっている音楽ということになるわけだが、要は表現のイメージがかなり抽象的であるということだ。だから、ある意味ではとっつきにくいわけだけれど、それでもライブとしてやはり魅力的であると思うのは、メンバーの存在や演奏の肉体性、つまりはライブ感としか言いようのない感覚で裏打ちすることによって、その抽象性が受け取り手の意識のなかで具体的な感触や記憶、あるいは映像と結びついていくことになるからだ。
それは、やはりライブならではの体験の有り様だし、そういう関係性のなかでオーディエンスに強い印象を残すバンドはこの国ではあまりいない。要は、彼らがますますすごい世界に分け入っているということなのだが、それであればこそさらに演奏力の向上を求めたくなってしまう、というのもずいぶんと贅沢な感想だろう。同時に、その抽象性を肉体化する手際でごくごくシンプルな具体的イメージを描くと、すごくポップな世界が生まれるんじゃないかと夢想してしまうのは僕だけだろうか。
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