総計: 2342751  今日: 172  昨日: 820       Home Search SiteMap
K's Glasses
profile
自己紹介
Diary 
Live Report
Recommend CD
  11月22日 大貫妙子/坂本龍一@人見記念講堂
   アルバム「UTAU』リリースに伴うツアー。ステージにはグランドピアノ1台だけが用意してあって、そこに大貫と坂本が出てきて歌い、演奏するというライブである。シックと言えばシックだし、シンプルと言えば、まあ、確かにシンプルなライブである。
 印象的なのは、坂本のピアノが和紙に描いた水彩画のような滲み加減で聴こえるのに対して、大貫の歌声はあくまでも輪郭がくっきりとしていたこと。もちろん、付き合いも古い達者同士の顔合わせだから、相互関係のなかでそういう表現を意識的に選んでいるのかもしれない。ただ、例えば「赤とんぼ」を演奏した後で大貫が「やるたびにどんどん坂本さんのピアノのテンポがゆっくりになっていきますね。そのうち、赤とんぼが飛べないくらいのテンポになっちゃうんじゃないの?」と笑うと、坂本が「僕はゆっくりであればあるほどいいんだけど、歌うほうはゆっくりだと大変ですよね」と答えるシーンがあって、その二人の間の何とも微妙な間合いのとり方がそのまま音楽の具合とも重なっているように感じられて、つまりはそう意識的なものでもないんだろうなと思ったということである。いずれにしても、明晰であるが故に曖昧であることを選ぶ精神と、割り切れないことと向き合うために明解であろうとする精神が交差した地点で生じる音楽は、いま普通に世の中で流通しているポップ・ミュージックとは違う感触の心地良さをまとっていたことは確かだ。
 
クョスコニョ    [1] 
 前のテキスト: 11月24日 布袋寅泰@リキッドルーム
 次のテキスト: 11月12日 VAMPS@Zepp名古屋
copyright(c)2008 TATSUYA KANEDA All rights reserved