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  7月17日 フジファブリック@コニファーフォレスト
   それは、あたかも名人が愛情をたっぷり注いで揚げたドーナツのようなライブだった。つまり、真ん中にスコンと穴の空いたドーナツのように、中心に立つべき人間の不在があらかじめ知らされていて、だからこそその不在を支えるようにして集まったアーティストたち、そして1万6000人のオーディエンスが大きな円環をつくったということである。ちなみに、元々はボール状だったドーナツがどうしてリング状になったかと言えば、諸説あるものの、いちばん有力なのはとあるドーナツ好きの少年がかつて生焼けのものを食べた経験から真ん中までしっかり火が通るように真ん中を開けるように母親に提案したというもので、ということはあの真ん中の空洞こそがドーナツをおいしく仕立て上げるということである。同様に、中心に立つべき人間の不在が、結果としてそれぞれに個性的なアーティストたちの思いのこもったパフォーマンスを呼び、そのパフォーマンス群がフジファブリック音楽というひとつの環にこんがりと焼き揚げられると、それはなんとも味わい深い、その夜にその場でしか味わえない極上のドーナツに仕上がった。
 印象的だったのは、その日登場したすべてのアーティストが本当にフジファブリック音楽の味が大好きで、どうしてそんなに好きなのかと言えばへんてこりんな味だからと口々に語っていたこと。安くて口当たりのいい味も外国風のかっこいい味も、他にもいろんな味を知っているけれど、いや、知っているからこそフジファブリックでしか味わえないこの味が大好き!というわけである。そして、それだけフジファブリック音楽のおいしさを知っているつもりで集まったのだけれど、改めてフジファブリック音楽にはこんなにいろんな“おいしさ成分が含まれていたのか!”と再確認することにもなった。というのも、選曲と、それを歌うアーティストの人選が絶妙で、だからフジファブリック音楽のなかの伸びやかな妄想癖であるとかナルシスティックな叙情性であるとか、あるいはイノセントな不器用さとか溌剌とした少年性だとか、そうしたエッセンスが曲ごとに浮かび上がっていよいよフジファブリック音楽が好きになってしまうのだった。圧巻は、フジファブリックがこの場所でライブをやる原因を作った男が歌った、フジファブリック最初の代表曲で、“この曲をこの人に歌ってもらいたかったから作者は席を外しているのかな”と思わせるくらい見事にハマっていて、それがちょっと切ないくらいに感動的だった。
 全30曲4時間のステージ。最後までスキなく予定通りに転換を進めたステージ制作スタッフの見事な仕事ぶり、暮れきってしまう直前に雲を払って姿を現した富士山の頂きまで含め、太い心意気と繊細なロマンティシズムが重なって現出した、まさに特別な一夜だった。

1.桜の季節w/奥田民生
2.虹
3.モノノケハカランダ w/安部コウセイ(HINTO)
4.ダンス2000
5.ルーティーン w/ハナレグミ
6.バウムクーヘン
7.赤黄色の金木犀 w/クボケンジ(メレンゲ)
8.地平線を越えて
9.笑ってサヨナラ w/斉藤和義
10.TAIFU
11.B.O.I.P. w/ハヤシ(POLYSICS)
12.タイムマシン
13.若者のすべて
14.ダンス2000
15.茜色の夕日 w/氣志團
16.Strawberry Shortcakes
17.陽炎 w/和田唱(TRICERATOPS)
18.TEENAGER w/真心ブラザーズ
19.線香花火 w/真心ブラザーズ、スカパラホーンズ
20.Sufer King w/スカパラホーンズ
21.DOKI DOKI
22.Bye Bye w/PUFFY
23.花
24.サボテンレコード w/片寄明人
25.マリアとアマゾネス
26.Anthem w/吉井和哉
27.Sunny Morning
28.銀河
[ENCORE]
1.会いに
2.茜色の夕日 w/奥田民生
クョスコニョ    [1] 
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