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  2月19日 the pillows@Zepp TOKYO
   アルバム『OOPATS』を携えてのツアー、その最後から2つ目のステージ。始まる前にPA席でマネージャーと照明オペレーターの人がさかんに笑い合っているから何狩るのかなと思っていたら、とりあえず照明がO-EASTのときよりカラフルになっていた。O-EASTに比べると会場に奥行きがあるので、そのストロークを生かしたプランニングと受け取るべきだろうか。
 それはともかく、ステージの内容もO-EASTからさらにリラックスした印象で、ラグビーに例えれば(と言っても、ラグビーの例えがそれほどポピュラーとも思えないが)以前のステージがフォワードを生かした密集戦が中心だったのに対して、今日はバックスを生かした展開戦から始めた印象である。それはつまり、いい意味での余裕がそういう選択をさせているのだろうし、実際その余裕の影響と思われる伸びやかさがライブを以前にも増して気持ちのいいものにしていた。
 もちろん、その余裕の大きな原因のひとつはオーディエンスとの親密感であって、だからいつもは打ち上げにしか現れない”ミッキーマウス”(笑)も登場し、客席をさらにリラックスさせてくれたのだった。
 ところで、山中さわおが今日、起き抜けに偶然、高橋大輔の銅メダルの演技をテレビで見たそうで、それを受けての感想を話した。
「スポーツ選手っていうのはみんな、すっごい辛くて苦しい練習を人知れずやってきてると思うんだ。それでも、明確に勝ち負けが出るから1回1回の演技がものすごい厳しいものになる。それは、ちょっとうらやましい気もするし、大変だなあとも思う。だって、オリンピックは世界で4位になっても”ちょっと…”っていう感じだろ。それで言えば、ピロウズなんて20年間惨敗続きだよ(笑)。辛いこととか全然やってこなかったからね。それでも、こんなにマニアが集まってくれる。音楽っていうのは、本当にいいものですなあ(笑)」
 でも、この発言はちょっと嘘が入っていると僕は思う。なぜなら、彼はこんなふうに歌う。
♪キミの夢が叶うのは/誰かのおかげじゃないぜ/風の強い日を選んで走ってきた♪
 風の強い日を選んで走ってきたのは、もちろん山中さわおであり、the pillowsだ。だからこそ「20年間惨敗続き」でもZeppはいっぱいになるのだし、この日のように伸びやかにロックンロールを鳴らせるのだと思う。
 
クョスコニョ    [1] 
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