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数日前に音楽業界の人と話していて、ちょいと話題になっている若手バンドの話になり、「来週、彼らが出るイベントに誘われたんだけど、ピロウズと重なっててピロウズを選んだ」と話したら、「ピロウズはいつでも見れるんだから…」と言われてしまった。「いつでも見れる」式のライブをやってこなかったから、いまこんなに盛り上がってるんだけどね…と思ったが、”若いバンドも見た方がいいよ”という親切心から言ってくれてるのだろうから、もちろんそんなことは口には出さない。笑って聞き流し、今日はなんのためらいもなく渋谷に向かった。
というわけで、あの感動的な武道館以来のツアーである。なにせ20年に一度のことだから、終わったらちょっと休んだりするのかなとも思ったけれど、まったくいつものようにニュー・アルバムをリリースして、長いツアーをスタートさせた。最新作『OOPARTS』からの全部演奏する、文字通りの新作ツアーだ。7、8年前だと思うけれど、インタビューした際に「間もなく始まるツアーの見どころは？」みたいな芸のない質問をしたら、山中さわおが「ロック・バンドが新しいアルバムを持ってツアーに出るという、それだけで十分だろ」と答えてくれた。まったくその通りだし、今回もその通りのライブを彼らは見せてくれる。
ただ、武道館を経て変わったところもある。
「月並み過ぎて、こんなこと言うのは自分でも嫌だけど、なんか初心に帰ったというかね。それも、pillowsの初めとかじゃなく、もっと前のバンドを始めた頃の感じ。オレのことを初めて見た人が、その夜のオレのライブが良くなければその後はもう一生会うことはないかもしれない、みたいな頃の１回１回のライブがすべてなんだということをまた思い出したよ」（山中）
それでいて、全然構えたところがない。以前よりもリラックスしている感じさえする。確かな足取りで21年目を踏み出したことを実感できるライブだった。
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12月2日 the pillows＠渋谷O-EAST
