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武道館ライブ史上、最も髪の毛がボサボサのフロントマンだったかもしれないが、彼の言葉とメロディはかつて武道館のステージを彩った内外の偉大なアーティストたちのそれと比べてもなんら遜色はない。そして、彼らにしては思いきり金のかかったステージセットではあっても、彼らのステージングはまったくいつもと変わらなくて、その揺るぎなさのなかにバンドとしての彼らの確かさを感じさせてくれた。いつもと違ったのは、山中さわおがMCの途中で感極まりそうになったことで、本人は「セーフ」と言って笑ったけれど、ほとんどアウト!だった。
ステージ中盤の「Funny Bunny」で、彼がマイクを離れて客席に歌いかけると武道館を埋めたオーディエンスが♪キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないせ/風の強い日を選んで走ってきた♪と声を合わせた。これ、泣くところです。
僕は、「この世の果てまで」のギターソロで泣きました。
10年前の10周年ライブの会場はO-WESTだった。そこからの10年のキャリアを彼らにみたいに過ごしたバンドはほとんどないと思うけれど、でもそれは何か奇蹟のようなことではなくて、ちゃんとした音楽的な裏付けがあることなんだという事実を何よりもこの日の素晴らしいステージが伝えていた。
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