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この日の会場、伊勢市観光文化会館というのは近鉄・宇治山田駅の真向かいにあるのだけれど、僕自身はここに来たのは生まれて初めてのことだ。でも、甲斐バンドにとってはここは因縁の地で、昔ツアーを始めて間もない頃、初めてやって来たときには半分も埋まらなかったそうだ。もちろん、すぐに満員になるどころかあっさり売り切れてしまうような状況になったのだが、今度は駅に着いて真向かいの会場まで歩いていくと大騒ぎになってしまった。それで、仕方なくわざわざタクシーに乗ることにして、今度はタクシーの運転手のモメることになったという。ちなみに、この日のメンバーはイベンターが用意したクルマで会場入り。特にトラブルもなく、もちろんチケットはソールドアウト。でも、とにかく寒かった。
オマケに、ホールがちょっとタチが悪い。最近では、全館禁煙のホールも少なくないこの時代、タバコを吸うことは認められているのだけれど、楽屋に暖房を入れるのに別料金がかかるというホールである。そして、その寒さのせいなのか、照明の前島さんが昼間の時間に伊勢神宮にお参りに行ったことが裏目に出たのか(笑)、照明のタマ切れが開場後に発覚して、取り替えるというアクシデントに見舞われた。
それでも、というか、それだからこそ、このバンドのタフさが際立って感じられた。セット・リストもすっかり落ち着いて、深まっていく段階に入っている。年明けから大森さんのギターを使っているという佐藤さんの「LADY」のギター・ソロが格別だった。
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