|
|
甲斐バンド”最後の”ツアー、アコースティック篇も見ておこうということで、遠いかどうかもわからないくらい遠い東京都下の市民会館に出かけてみた。予想通りというか、予想以上に遠いところで、バスに乗ってて、久しぶりに”どこへ連れていかれるんだろう?”と思った。
ステージの方は、予想に反してというか、全然アコースティックじゃなかった(笑)。本人のMCによると、大分で1回やってみて、なんだかもの足りなかったらしく、それでどんどんバンドの比重が高まってきているということらしい。というわけで、アコースティック篇はこれからもどんどん変わっていくことになる。ただ、そもそもアコースティック篇を設定したのが、「100万ドルナイト」で使うミラーボールが会場の構造上、吊るせないという事情からだったから、バンドの比重を高めるにしても「100万ドルナイト」はやれないわけで、その代わりというのもナンだけれど、アコースティック篇の会場では、毎回その日だけの曲がメニューに加わるということになるという。ちなみに、この日は「最後の夜汽車」だった。
終演後、かるく甲斐さんと話し、甲斐さんを担当しているデザイナーとふたりで会場から立川駅までタクシーに乗った。あんな寒空の下でバスを待ってられない!からだったが、道中ずっと黙っていた運転手さんが駅近くになって、こらえきれない感じで「今日のコンサートはテレビで放送になったりするんですか?」と聞いてきた。50歳くらいの女性だったが、「甲斐バンドって私にとっても青春だったんで」という。僕らの前にのせた客は、京都からわざわざ見に来た人だったそうで、「全部ではないけど、かなりいろんなところに行ってるらしいですよ。家族を捨ててきた、って笑ってました」とのこと。あの運転手さんは昨日の仕事が終わって家に帰ったら、甲斐バンドの古いテープを取り出して聴いたりしただろうか?
2月の武道館では、そういう人たちのいろんな人生が交錯することになるんだろう。
|
|
|
|
|