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  7月11日 藤井フミヤ@国際フォーラム
   ソロ・デビュー15周年のベスト・アルバム『15/25』をフィーチャーしたツアー、その初日のステージである。このツアーのコンセプトは明解で、文字通りそのアルバムをフィーチャーして、そこに収録された30曲をすべて演奏するというものだ。この明解さ、潔さがじつにフミヤっぽいが、潔いと言えば冒頭のMCで「このアルバムはできるだけたくさん買っていただきたいということで、バラードおよびミディアムの曲を中心に選んだので、ということは今日のライブでは激しい曲やいやらしい曲はやりません」と言ってしまうのもまさにフミヤ流だ。
 そして、その歌モノ・メインのセット・リストは期せずして彼のライブの未来型を先取りして見せる形になった。すなわち、ゆったりと椅子に座ったオーディエンスを前に、フミヤがたっぷりと、しっとりと、ひたすら歌いまくるというステージだ。その構成で30曲3時間はさすがにちょっと長く感じたが、これが1時間半から2時間のサイズだったら完全に大人のエンターティメント・ショーとして成立するだろうと思われた。この日はフミヤの誕生日ということで、アンコールにはとんねるずの木梨憲武が登場するサプライズがあったが、木梨も指摘した通り、間奏でターンをきってみせたりする必要もないくらいの説得力だった。
 とは言え、ボーカリストにとってはなかなかにハードルの高いステージであることは間違いなく、その初日を4000人を前に迎えたということでステージ序盤はさすがに硬さを見受けられた。それが、歌うほどにどんどん声が出るようになっていくのもボーカリストならではのことで、本人にとってもシンガーとしての自負と自信が深まっていくツアーになることは間違いないだろう。
クョスコニョ    [1] 
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