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  4月30日 ASIAN KUNG-FU GENERATION@BLITZ
   ツアー3本目。その主旨は肉体の開放、ざっくばらんに言えば、楽しくやろうぜ、ということのように感じた。
 優れたバンドは、大雑把に言って、まず表現したいものがあり、それに表現する能力が付いていくものだ。それは平たく言えば、まずいい曲と歌詞があり、それに演奏およびアレンジが付いていくということになるわけだが、アジカンは非常に主知的なバンドなので、いい曲と歌詞があって、それをいいアレンジで仕上げることもそうとう理性的に成し遂げてきたはずだが、最新アルバムおよび今回のツアーでは、そこからもっと自由になろうよというのが今回のテーマであるように思われるわけで、それをざっくばらんに言ってしまえば、”楽しくやろうよ”ということになるように思われる。
 もちろん、これまで楽しくやっていなかったわけではないだろうが、もうちょっと衝動的に、さらに誤解を恐れずに言えば、普通にバカっぽくやってもいいんじゃないの、ということである。で、それはすなわち肉体の理性からの開放であり、肉体的快感により正直であろう、ということになるわけだ。
 で、現在の彼らが楽器を持って集えば、いちばんの快感は無邪気にセッションしていくことのはずで、この日の演奏でインスト部分の比重が拡大しているのはおそらくそのためだろう。このあたりも、優れたバンドが誰しも通る道だ。
 その脈絡でこの日のステージを受け取った場合、十分に意欲的なライブだったと言えるが、個人的にはだからこそボーカルのもの足りなさを問いたい気分だ。
 これまた多くのバンドが通る道だが、メイン・ボーカルの表現力の成長がバンドの演奏力の上昇曲線に追い抜かれる局面があるものなのだ。アジカンがいまその段階に来ているのか、あるいはたまたまこの日の調子が良くなったのか、それは定かではないが、いずれにしてもボーカルがもう少しタフにならないと彼らがいま表現しようとしていることには追いつかないと思う。
 言うまでもなく、優れたバンドの最大のライバルは自分たち自身の感性であって、その感性が求めるものを十全に表現できるか?という命題を彼らはいつでも突きつけられているのだ。もちろん、その緊張感はアジカンのような優れたバンドだからこそ味わうものなのだけれど。
クョスコニョ    [1] 
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