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  4月18日 奥田民生@C.C.Lemonホール
   ライブが始まって気づいたのだけれど、民生のライブを観るのは久しぶりだ。少なくとも、バンドのリズム・セクションが湊雅史(ds)+小原礼(b)になってからは初めてだ。で、最新アルバム『OT9 FANTASTIC』の成功もこのリズム・セクションに負うところが大きいわけで、個人的な見どころはこのリズム・セクションだったのだけれど、しばらく観ている間にちょっと考え込んでしまった。ステージ上で展開されている音楽のクオリティは間違いなく高いが、なんだかちょっと違う気がするなあ…。例えば「野ばら」はすごくいい。でも、そのいい理由と同じ原因で、曲によっては違和感を感じる…。と考えていて、つまりは抒情的でないということなんだろうと思い至った。で、抒情的でないロックが良くないかどうかは意見の分かれるところで、基本的には多分まったく悪くないはずだが、民生の音楽が本来的に持ち合わせているロマンティシズムを描き出すのにいくつかの曲ではやはり抒情が必要だろうと思うのは、僕が抒情的だからか? なんてことを考えている間にステージは進み、最終的にはそのパフォーマンスの強さにねじ伏せられてしまった。徹頭徹尾ストロング・スタイルなそのステージはまさにロックだ。
「よくやった、と思ったら、大きな拍手を。その都度、その都度、ね」という民生のMCは、曲ごとの1回性の演奏に対する評価を求めているわけで、そこには最近の彼が特に意識しているポイントも透けて見える。というのはステージで演奏者が気合いもろともかき鳴らす音にどれだけ説得力があるか、というところで彼は勝負を挑んでいるのだ。そこに抒情が入り込む余地など、おそらくない。それが、ロックだ。
 というわけで、僕は心地よくロックに圧倒されて雨の渋谷に出た。
クョスコニョ    [1] 
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