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  9月5日 the pillows@SHIBUYA-AX
   客席が暗転してSEが鳴り始めたときの照明の具合がちょっと凝ってて、”おっと、動員が伸びて照明の仕込みが増量かな”と思っていたら、オープニングには引き落としがあり、ステージにはセットが組んであってドラムは台の上だった。4曲目にはバンド名のロゴを象った電飾が登場し、果ては強大なバスターくんまで登場。シンちゃんいわく「pillows始まって以来」の大仕掛けステージだ。そもそも10月のZepp2デイズを売り切った後の追加公演をこのタイミングで、しかもAXに設定するところがおかしいが、そのステージに思い切りお金をかけてしまうのが、なんだかいかにもpillowsである。
 もちろん、そうした仕掛けが仕掛けだけに終わらないのもさすがpillowsで、とくにこの日のpeeちゃんのギターの音はまさに”鋼の強さ”といった感じで、なんとも印象的だった。今回のツアーの東京公演ではクアトロもO-EASTも、山中さわおはじつに気分が良さそうで、だから自然と饒舌だったわけだが、この日はしゃべっているヒマもないといった感じでポンポンと演奏が続いていく、その調子が心地よく、pillowsライブの颯爽としたドライブ感をあらためて実感することになった。
 中盤には懐かしい曲が披露されて、アンコールは4曲で、でもオーディエンスが納得せず、再び出て来たメンバーが「ハイブリッドレインボウ」を聴かせて、この日のステージは幕を下ろした。素晴らしいのひと言だ。
 ただ、どうなんだろう? この1、2年、東京では「ハイブリッドレインボウ」を聴かずには帰れない、みたいな雰囲気がいよいよ高まってきているように思うのだけれど、東京以外の地域でもそんな感じなんだろうか? この日の、「ハイブリッドレインボウ」が演奏されるまでの流れにはやはり必然性があったように思ったし、演奏自体も良かったからいいと思うのだけれど、でも毎回ライブが「ハイブリッドレインボウ」で終わるべき流れかと言えば、もちろんそんなことはない。それでも、「ハイブリッドレインボウ」を聴かずには帰れない、みたいな雰囲気になっていくのはアーティストにとってもオーディエンスにとっても不幸だろうと思う。だって、pillowsには、他にも演奏されるべき、そしてもっと聴かれるべきいい曲がたくさんあるのだから。
 たとえば、彼らのデビュー曲「雨にうたえば」で、彼らはこんなふうに歌っている。
♪灰色の空にもうたうよ/降りやまない雨なんてないさ/いつの日か雲のスキマから虹が…♪
 現在の彼らが演奏する「雨にうたえば」を聴くと、「ハイブリッドレインボウ」とはまた違った虹を思い描くことができるように思うのだけれど、どうだろう?

 
クョスコニョ    [1] 
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