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  9月4日 くるり@中野サンプラザ
   岸田繁のやや枯れた声が、ツアーが佳境に入っていることを伝えている。ツアー2本目ではステージの行方を見定めるように最初は座って聴いていた聴衆が最後には堪えきれないように立ち上がって踊るという展開だったが、この日はセットリストが変わったせいもあってか、聴衆は最初から立って踊っていたが、第2部で座って体を揺らせるというまったく正反対の展開になった。
 この日の演奏でいちばん印象的だったのは、岸田繁が歌が上手くなったなあということ。今回はかなり長めのギター・ソロを弾く場面もあったりしてギタリストとしての奮闘ぶりもなかなかのものだが、それより何より声の操り方に随分と余裕が出てきた印象で、おかげで楽曲が持つ叙情性がより表情豊かに感じられたし、相当にマニアックな演奏の展開も逆に歌の浪漫性を際立たせることになった。
 鉄道マニアで知られる岸田は、場所が中野ということでMCの話題は何かと中央線に流れていったが、そのなかで友部正人の「中央線」が出てきたのは自然なことだとして、約10年前に上京してきた彼が中央線に乗り、神田からお茶の水へと進んで行くと桜が咲いていたという話を聞いて、サニーデイサービスの『東京』のジャケットを思い出した人も少なくなかったのではないか。そして、そのMCに続いて披露された「東京」はいつも以上に感動的で、それは上京から約10年を経た岸田と東京という街との陰影に富んだ関わりを照らし出しているようにも思えた。
 ちなみに「ばらの花」のテンポは、この日はそんなに速くなかった。NHKホールのときはツアーが始まったばかりということで緊張していたのかな。ただ、この日の「ばらの花」はやはりいつもとはちょっと違う味わいで、その違いの質は今後の彼らの行方を示唆しているように思える。具体的には、うまく言えないのだけれど。
クョスコニョ    [1] 
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