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「こんばんは、フジファブリックで〜す」という、志村正文の声がなんだか明るい。明るくていきなり弾けた感じなのだが、それとは裏腹に重厚な音が折り重なった印象のサウンドがなんとも凛々しいライブになった。彼らは、志村がMCで語っていた通り、今年CDのリリースがなかったわけだが、その分ライブに精力的に取り組んできた。この日のステージは、その決算報告なのであり、同時に来年の活動に向けた決起集会でもあるだろう。
決算報告の部分で言えば、春先のドラマーの脱退がすでに遠い昔の出来事であるかのようにサポート・ドラマー城戸紘志とのコンビネーションはばっちりで、さらに言えば彼のタイトなドラミングに拮抗するように加藤慎一のベースもずいぶんとガッシリとしてきた。おかげで上モノのきらびやかな絡みや全体の入り組んだ展開の妙がいっそう際立つようになり、つまりは和風サイケとでも言うべきバンドの個性がいよいよ印象的に感じられるようになったというわけである。演奏の確かさも含め、おやじロック・ファンにもアピールしそうだ。
一部キレの悪いところはあったものの、光量を抑えたトーンを基調にしながらレーザーなどさまざまな仕掛けを駆使した照明は確かに効果をあげていたし、火薬多め（？）な特効はライブ・スタッフも気合い充実の証だろう。決起集会としての成果は上々。来年の飛躍を大いに期待、である。
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12月25日 フジファブリック＠渋谷公会堂
