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  7月23日 KISS、ポール・ロジャース@UDO MUSIC FESTIVAL
   本日は静岡県御殿場、富士スピードウェイである。秋に出すおやじロック雑誌のスタッフが昨日から取材していて、連中に御殿場駅で拾ってもらい、午後4時前に会場入りする。昨日とうって変わり、天候はグズグズで、さらに富士スピードウェイは深い霧の中にあった。いくらKISSがアメリカと同様の特効で派手なステージを見せてくれると言っても、この天候の中を富士スピードウェイまでやって来るもの好きはそんなにはいない。案の定、メイン・ステージの客席はかなり無惨な状態で、演奏していたアリス・イン・チェインズは”あんまり酷いんでかえってすっきりしたよ”てな感じの、なかなかにちゃんとしたパフォーマンスを披露していた。僕は彼らのライブを見るのは初めてだったが、やっぱりアメリカでしかるべきセールスをあげているバンドって歌まで含め演奏がじつにしっかりしている。
 で、ポール・ロジャースである。昨日からずっとオンタイムで進行していたというのに、彼はなかなか出てこない。客が少ないんで、やりたくないって言ってるんじゃないか、なんて話をしていたら、ひょこひょことバンドのメンバーが出てきて演奏を始めると
なんとなくといった感じでポール・ロジャースも出て来た。ところが、この頃に霧は最も深くなり、当初陣取っていた場所からステージが見えなくなってしまった。仕方なくステージ前まで行って、立って見ることにしたのだが、彼のステージは本当に素晴らしかった。バック・バンドの3人はいかにもへなちょこだったが、ポールはそんなことをもろともせず、張りのある見事なボーカルでオーディエンスをグイグイ引っ張って行く。いい曲をいい歌手が歌えばライブはそれで十分なのだ、ということをあらためて実感させられた。最後に「ウィッシング・ウェル」「オール・ライト・ナウ」と続いたところで盛り上がりは最高潮。気がつけば霧も晴れ渡り、”いやあ、こんなところまで来た甲斐があったなあ”と思ってしまった。
 しかし、その興奮をKISSは粉みじんに打ち砕いてくれた。1曲目「デトロイト・ロック・シティ」のイントロの音がいきなりショボい。ポール・スタンレーの歌も頼りなくて、圧倒的な光量の照明のゆえ余計にむなしく感じられた。もちろん、特効はいちいち派手だが、演奏よりもたとえば花火の爆発音のほうが迫力があるんだからどうしようもない。結局、特効のバック・バンドなんだな、と思い定めて見ていると、最終的にはおやじギャグを連発されてとうとう最後に笑ってしまうような、妙な説得のされ方をして、見終わった後ではなんだかすごく疲れてしまった。終演後、会場を出て行くクルマがみんな逃げるように走って行ったのは、みんなこの夜のことをなかったことにしたかったんじゃないだろうか。
クョスコニョ    [1] 
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