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  10月23日 藤井フミヤ@東京国際フォーラム
  "Love Songs"と題したステージ。言うまでもなく、ラブ・ソングをたくさん聴かせましょう、という内容である。が、ただラブ・ソングを次々に披露するというのではなく、"雨音"とか"欲望と弱点"とか"天使の旋律"といったテーマで章立てをし、寸劇的なエピソードも交えながら展開していくロック・ショーなのだ。フミヤさんは全編スーツ姿である。
 これは明らかに、彼の『大人仕様』への緩やかなシフト・チェンジの第一歩だろう。彼は、他でもない、あの『藤井フミヤ』なのであるからして、永遠にかっこいいはずであるわけだし、永遠にキャーキャー言われる運命にある。本人も、そういう有り様をしっかりと受けて立つ心持ちの人である。が、その一方で彼は、普通にオヤジ化し、そういう者として歌うことも、おそらくはやぶさかでないと考えているだろう。あるいは、望んでさえいるかもしれない。いずれにしも、最近のインタビューでは「年を重ねていけばやはりバラードをしっとりと聴かせるシンガーになっていくはずだ」と語っている通り、彼のステージにいつでもあふれているヤンチャさ、音楽的なエッジ感といったものは、少なくても表面的には後退していく方向にあると思う。ただ、それが月並みなディナーショー・シンガーになっていくこととは別の次元の話なのだ、ということを今回のロック・ショーは物語っている。十分に艶っぽくて、しかもロック的な鋭さがあり、その全体をおおらかなロマンティシズムが覆っている。
 この人のステージを観るようになって久しいが、これから年をとっていっても、ますます楽しませてくれそうだ。
クョスコニョ    [1] 
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