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ロック・コンサートの構成についての「てにをは」というものがあるとして、ZAZEN BOYSはそうした既成概念を見事に逸脱して、しかもロック・コンサートとしか言い様のない衝撃を与えてくれる。その衝撃のオーディエンスへの突き刺さり具合がしっかり的を射ていることは、どんどん動員が増えていることからも間違いないだろう。この日のAXなんてホントに超満員でした。で、なんでそんなにグサッとくるのかと言えば、彼らの発する音はロマンティックな意味付けを一切拒否したようで、だからその音はそれこそ弓がこちらに向かって飛んでくるように即物的な具体性をまとっている。彼らの演奏は、グサッとくるか、ただうるさいだけか、受ける印象はおそらく二つに一つだろう。しかし、それもまた、彼らの表現の純度の高さの反映であるように思われる。この日、ゲストで登場した椎名林檎も、その純度の高さにヤラれたひとりではないかと推測する。彼女の、明らかに緊張している立ち振る舞いと、♪野に咲く〜♪と歌ったその声の存在感のコントラストも印象的だった。
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