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  11月6日 甲斐よしひろ@日本武道館
   3時間40分におよんだステージが終わってスタッフ楽屋に戻って来たベテランの舞台監督に「老人には長いね」とひやかしの声がとんだが、彼は「オレより老人がステージの真ん中で歌ってんだから、やるしかないじゃん」と苦笑した。そして、その舞台監督よりも「老人」であるところの51歳の"若者"による楽屋あいさつがまたふるっていた。
「30周年てことは31年目があるってことですから」
 デビュー30周年の記念して行われたライブ。8月にリリースされたトリビュート・アルバム参加アーティストから5組をゲストに迎え、演奏されたのはじつに33曲だった。それでも、1曲として余分はなく、全体の流れもまったく淀むところがない。30年というキャリアの長さも3時間40分というステージの長さもまさに恐るべしだが、しかし結局のところステージを見終わってみて自分が何に心を動かされているかと言えば、演奏された音楽の内容の素晴らしさなのだ。過去の栄光によってではなく、あるいは実直ななだけの積み重ねによってでもなく、真にクリエイティブな表現によってオーディエンスを説得してみせる。この日、なによりも素晴らしかったのはその1点であり、敢えて言えばそうした研ぎすまされた演奏を実直に積み重ねてきたからこそこれまでの栄光があったということである。
「30周年てことは31年目があるってことですから」
 このセリフをみんな笑いながら聞いていたけれど、もちろん誰も冗談だとは思っていない。いや、むしろこの日の濃密なステージを体験した後では、31年目もあってもらわないと困ると思ったことだろう。
 30周年記念のライブは31年目への景気付けのステージだった。
クョスコニョ    [1] 
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