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話題のBANK BANDが「トーキョーシティーヒエラルキー」をカバーしていて、桜井和寿が歌うその曲は随分とポップに聞こえる。オリジナルとの相違をどう受け止めるかは好みの分かれるところだろうが、とりあえずソングライターとしての山口洋はポップなんだなあ、と妙に感心してしまった。しかし、HEATWAVEとしてステージに立つ山口洋は相変わらず剥き出しというかなんというか全然こなれていなくて、その相変わらずさ加減がなんとも心地よかった。もっとも、彼がまったく変わっていないわけではない。本人のMCによれば、彼は最近コスモスを育てているそうで、その"優しさ"は彼本来のものであるにしても、以前ならそのことを自分から話したりはしなかっただろう。バンドの音も確実にバンドとしての塊度を高めていた。HEATWAVEの歴史とは山口が求めるビート感を生み出せるドラマーへの歴史というふうにも言えると思うのだが、池畑潤二というほとんど理想のドラマーを得、そのドラムを中心にバンドのアンサンブルを煮詰めていくことができることの幸福がステージ上の山口を正直に語らせるのかもしれない。この4人の平均年齢は多分40歳を超えるのだろうが、これからまだまだ良くなっていくだろう。HEATWAVEのファンになるのはいまからでも遅くないと思う。
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