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小林亮三というソングライターは、とても感じやすい少年の心情の陰影を描き出す手際が実に鮮やかだ。だから、彼の曲には男の子もグッとくる。デビューから1年余りで渋谷公会堂までたどり着いたのも、そうした繊細なソングライティングに負うところが大きいと思われる。
ところが、その渋谷公会堂での初めてのステージは、会場の大きさを意識し過ぎたのだろうか、かなり入れ込んだ内容になってしまった。おかげで、そのステージはずい分と熱いものにはなったけれど、それは結局彼らの音楽が表現しているほんの一面をクローズアップしただけのステージだったというふうにも言えるだろう。もちろん、向こう見ずとさえ言えるような激情を彼らの音楽ははらんでいるし、この日のステージでもその特性は強く感じられたけれど、そこの部分をただ押し立てるだけのライブを彼らがやるのはもったいないと思う。そのあたりは、スタッフ・サイドの問題でもあるだろう。
次のライブは、5月22日のデビュー2周年記念ライブだと言う。その区切りのステージでは、彼らの魅力をたっぷり味わってみたいものだ。
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